???西部劇の名匠ジョン・フォード監督が、詩情も豊かに男同士の友情を描いた秀作。1880年代、東部の大学から西部へやってきた若き弁護士ランス(ジェームズ・スチュアート)は、無法者リバティ・バランス(リー・マーヴィン)に襲われ、牧場主トム(ジョン・ウェイン)に助けられる。やがてランスは、州昇格運動をめぐって殺伐とした雰囲気に満ちた町の中、反対派の手先バランスと決闘するはめになるのだが…。
???フォード演出は全盛期に比べると枯れた味わいが濃厚になってきているが、そこもまた魅力的。フォード映画に欠かせない名優ジョン・ウェインがここではいぶし銀のような存在感を発揮して、男の哀愁を漂わせる。またバランス役のリー・マーヴィンは本作のギトギトした悪役ぶりで一気にブレイクした。(的田也寸志)
「西部では伝説と事実が違っても、伝説を取ります」という劇中の新聞
記者の「西部の原則」を定義したセリフが、ズバリこの作品のテーマで
ある。
しかし、フォードが肩入れするのは「伝説」の男ランス・ストダード
(スチュアート)ではなく、その伝説の陰で(つまり事実)、静かに死
んでいった真の西部の男トム・ドニファン(ウェイン)であり、彼を
こそフォードは愛惜の念の対象として描く。つまり、それは西部そ
のものの死に対するフォードの別れの言葉であり、ペキンパーの過
激さとは対象的なフォード流の「さらば西部よ!」という静かな最後
の挨拶なのである。
だから作品には常に哀しさが漂っているのだが、同時にそれは詩的で
静謐な美しさで溢れてもいる。トム・ドニファンという!西!部男のイメ
ージが、「サボテンの花」という美しいものの姿へと焼き付けられてい
るせいだろう。
フォードの遺作ではないが、実質的な意味で、彼の西部=西部劇への
オトシマエ的作品なのは間違いない。フォード狂の映画批評家ピータ
ー・ボグダノヴィッチなどは、「ハリウッド黄金期の最後の傑作」と極
言しているほどである。
本DVDは、ニューマスターを使っているとのことで、非常にきれいな
画質。フォード最後の西部劇を堪能するには最適のDVDだろう。